ピロートーク

やがて性愛

大切な人を見送っていた

リビングルームに恐竜がいる。恐竜を見たのは初めてだったので驚いたが、サイズは動物園のカバくらいで、意外と小さいんだなと思った。見た目からして草食っぽいけれど、暴れられたりしたら怖いので、触りたい気持ちを抑えてベッドルームの陰からこっそり見ていた。色は青い。
おとなしく、ただ立っているだけだ。どうしようかなと思い陰から見つめていると、恐竜は動き出した。玄関の方へ前進し、どうにかしてドアーを開け、外へ出て行った。大丈夫かなと思い、追いかけるようにドアーを開けて見ると、恐竜はエレベーターを降りていったようだ。
ドアーの開け方や、エレベーターのボタンの押し方も気になるし、エレベーターに入れたことが不思議でしょうがないけれど、どうにかなったらしい。
ベッドルームに戻り、恐竜がマンションから出てくるのを見ていた。怖い、よりも心配が勝っていた。
のっしのっしと歩いて、大通りの方へ出ようとしていた。「大丈夫かなあ」とわたしが言うと「青い恐竜だったろ、なら大丈夫だよ」と同居人に言われた。
そういうもんなのか、と知り安心する。茶色系は危ないらしく、世の中にはいろんな恐竜がいるんだなと思った。あの青い恐竜には百日紅がよく似合う気がするけれど、もう行ってしまって何もできないのでそう思うだけでおしまい。台所に行って、冷蔵庫をあけた。


これが2019年3月4日に見た夢。良い夢だったな。さすが夢らしく、現実との整合性がとれていないけれど(うちの間取りもマンションのつくりも違った)そんなことはどうでもいい。

 

恐竜好きのいいところはすでに絶滅してしまってるところだと思う。居なくなってしまった生き物と、遠い遠い昔を想うことが日々の暮らしの中でできるのは、わたしにはかなり魅力的だ。(今のわたしの暮らしの中では、ドラえもん読むときぐらいしかその体験はできない)

 

もう何年かここに住んだら、次はペット可のマンションに引っ越したいな。

恐竜がペットに含まれるのかはわからないけど、毎日お世話するし躾もきちんとやる。寄り道や夜遊びやムダ遣いもやめるから。あ  でものび太とピー助は最後お別れしちゃったよな…でもあれは漫画だし…役所に届けを出せば大丈夫なんじゃないかなとか考えてる。どこかで恐竜拾いたい。絶対にかわいがって、仲良しになって、ずっと一緒にいるんだ。

 

<いつかしらどこかでこうして陽にさらされ大切な人を見送っていた>斉藤光悦