ピロートーク

やがて性愛

羽海野チカの漫画。 その2

羽海野漫画でもう一カ所気になること。、誰もかれも「父親」が居ない。学術的に論じようとするなら「父性の喪失」とでも言うんでしょうか。
ハチクロだと、はぐちゃん、森田さん、竹本くん。
ライオンだと桐山零や川本家3姉妹(一度死んでしまい、復活ののちに殺した)(殺しちゃないけれどこの言葉がしっくりくる)
キャラクター達にお父さんはいないけれど、代用の人物は存在しているのが救いだと思う。修ちゃんや馨やカズさん、幸田のお父さんやおじいちゃんや美咲おばちゃん。みんな、やたらと強いメンタルを持っているから、キャラクター達はぐれたりいじけたりしないで済んでいる。

物語における「父性の喪失」は、わたしなんかが今さら語る必要無いぐらいにもう語られ尽くしているのでそこは放置。ただ、父親には父親にしかできないことが(少なくとも漫画には)ある。残された人々は、父性の代用品を自分か他者に見つけて生きていく。

 

『3月のライオン』は、吉田秋生の『海街Diary』と構造がとても似ている。欠けた家族で暮らす3姉妹と父を失った「他人」が歴史ある街で生きていく。こんなに似ていていいの?流行っているの???まあそれはいいや。
「父」を失ったとき、それを補う


には、他者を媒介することできょうだいの絆を強めるしかないのだろうか。だとしたら、なんか凄くシェイクスピア的な話になってくるぞ。まだまだ思考を練って行かねばならない。わたしはこういう「遊び」が凄く好きなのだ。


調べてた時に見つけたおもしろいブログやコラム達。

・『三軒茶谷の別館』
島田開が父性を担っているっていう点は気付かなかったな~~~確かに。
http://d.hatena.ne.jp/sangencyaya/20100411/1270949525%E3%81%8A%E3%80%8E%E3%81%8A%E3%82%84%E3%81%99%E3%81%BF%E3%83%97%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%B3%E3%80%8F%E3%81%AE%E5%A4%B1%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%81%9F%E6%AF%8D%E6%80%A7%E6%84%9B%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/cu6k/1255D0A6-6BE2-47F9-86A6-61D9DFFEC228

・『ポンコツ山田.com』
あかりおねいちゃんの持つ父性について。ほほう。
http://d.hatena.ne.jp/yamada10-07/20110730/1312020079


・『深夜のサカマキ貝』
「母性の喪失」と「おやすみプンプン」(浅野いにお)について。良いブログ名だなあ。
http://krmyhi.wix.com/shell-in-the-night#!%E6%B5%85%E9%87%8E%E3%81%84%E3%81%AB

・『ドラコラム』
ドラえもんの持つ母性と父性の両寓性について。時代背景とともに。ちょっと違うけれどこれはこれで面白い。
http://www.ceres.dti.ne.jp/~toshio/DoraColumn/DoraColumn021.html