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ピロートーク

やがて性愛

恋人はいてもいなくてもいいけれど

愛だの恋だの

もし俺がいなくなったら、という風に話を切り出されて「あーあ」となった。そうですね、最初の一日ぐらいは思い切り泣いて二日には吹っ切れているぐらいが、わたしの中に占めるあなたパーセントとしては丁度良いのですが実際のところどうなるでしょうね。泣きますでしょうか。それとも諦めますでしょうか。心を殺して(あるいはそんな自分に酔いながら)何事もなかったかのように振る舞うか、もしかしたら鬼のように連絡を入れるかもしれませんね。まあ鬼はスマフォ持ってないからこの比喩は適切ではありませんが。

あの時、わたしは話したいことあるから電話してもいい?と言いましたが、それに対してあなたは「電話は嫌いだ」とかっこつけたことをわたしは未だに覚えています。はい。覚えていることを踏まえてわたしは電話をかけるかもしれません。ずっとしたかったから余計に。

 

 

 

 

そうして連絡が途絶える。中途半端なメッセージのまま。

ある件について彼は謝って来たけれど、わたしにとってその「ゴメン」は最早何に対するゴメンなのか分からないでいた。謝られる心当たりが多すぎる。ごめんなんて言われても困っちゃうな。と返事をすると『でも』と来た。

 

 

 

でも?

A:とにかく謝りたい

B:自分には他に解決の糸口が見つからないのでここいらで勘弁してくれないか

C:君にも悪いところがあるのだからそこを直すべきではないだろうか

 

 

ぱっと思いつくだけでも『でも』に続く言葉は3択はある。どれを選ばれたとしてもムカつく。本当は悲しいのだけれど、ムカつかなきゃやってられない。だからムカつく。

 

けれども、でも、の続きは来ない。そうして週末を迎える。普段より鳴らないスマフォを頭の片隅で意識しながら、親と出かけたり買い物をしたり友達に会ったり、そんな風にいつも通り過ごしているうちにお休みは終わってしまった。でも、の続きは何だったのだろう?そんな風に考えながら髪を梳かした。

 

 

 

この前会った先週末から一週間が経とうとしている。その間に美容室に行ってトリートメントをしているため先週末に彼にさわられた時よりも髪が潤っていてすべやかだ。この髪をさわってもらうつもりでいたし触られたかった。そう。何事も無く終わった一週間。わたしは気づいていた。「わたしはあなたが居なくても、きちんとやっていける。」

 

 

 

居なくても大丈夫なものを求めることが恋なのでしょうか。それとも自分の性欲を恋と錯覚しているだけなのでしょうか。でも、の続きは結局何だったのでしょうか。わたしから「でも、何なのかな?もし何かお話があるなら聞かせてね!」とメッセージを送れば続きは聞けるのでしょうか何か変わるのでしょうか。

 

 

 

もしあなたが。あなただけでなく他の友人や家族や顔も知らない“あなた方”が居なくなってしまったら。

 

居なくなってしまっても、わたしはわたしで生きいこうと思いますし、きっとそれなりにやっていけると思います。

でも、あなたが居ると、わたしは嬉しい。

電話、してもいいですか。

 

恋人はいてもいなくてもいいけれどあなたはここにいたほうがいい

>伊勢谷小枝子