ピロートーク

やがて性愛

永遠という戯言におぼれて

わたしはMr.Childrenについては詳しくなくて、
有名どころの曲なら口ずさめる程度なのですが
最近いい曲だなあとおもったのは、
「車の中でかくれてキスをしよう」。
たぶん、初期の曲かしらん。

 


もう二人は子供じゃない だけど
いたずらに ただ傷ついてくだけ
抱きしめても すり抜けてゆく君の
その心を 閉じ込めていたい

車の中でかくれてキスをしよう
誰にも見つからないように
君は泣いてるの?それとも笑ってるの?
細い肩が震えてる


隠れてキスをしなければならない状況ってどんなのでしょう
太陽の下で日差しをいっぱいに浴びながらすることは許されない関係
おおっぴらに出来ないということは不倫か浮気か。別れる寸前の二人かもしれないね

 


今は恋がオープンになってきたと言いますし
街中でいちゃいちゃするカップルをよく見ますよね。
そんなときわたしはこの短歌を思い出す

 

一生の暗きおもひとするなかれわが面の下にひらくくちびる/篠弘

 

二年ほど前に読んだこの歌に対する評があまりにきれいだったので忘れられなく、ミスチルを聞いて、読み返したくなったわたしは図書館をまわってめぐって、ようやく再会できた



たとえばかつて、若い二人のキスは、掲出歌のように後ろめたく重々しいものだった。
昭和二十年代の終わり、作者は貧しい学生である。
(中略)
当時、未婚の女性が、男性からくちづけを受けるということは、それなりの決意と罪悪感があったのだろう。
(ちゃん)
決意と罪悪感は、男性である作者の側にも感じられる。

「このことを、あなたの一生のかで暗い思いをもって振り返るようなものとはしないでください」――たとえこれから先、二人が結ばれなくても(その可能性は高い。まだ学生なのだ)、過ちだったなどとは思ってほしくない。今このときの思いには、嘘いつわりなど微塵もないのですから……。


この文章には続きがある
〈これほどの一大決心をして、キスをしている恋人同士がはたして今いるだろうか〉
〈禁断の果実こそ、甘いのです〉

 

冒頭のミスチル然り、短歌しかり、
許されないものというのは美しく見えますね
ああでも自分は絶対いや!!(`・ω・´)


わたしはプラトニックこそ純愛、とか
そういったことを言いたいのではなくて
やがて恋の終わりが来る、とわかっている
無防備に愛しあうことができない二人が“そこ”(この場合は、車の中。)にいるという事実と

「報われないんだからやめたほうがいいよ」と聞こえてくる周りの声を悲しく受け止めながら、(言われなくても、お互いわかってる、決して口にはしないけれど)

 

それでもなお終わりまでの間、命を燃やし続けるようで、そして有限性の中に一瞬の無限・永遠というか弱いものを作り出すのは尊いことだと思うのです。


いきものがかりの「くちづけ」という曲にも似たものを感じる
この曲はミスチルより悲しみに焦点を当てているイメージ、上の短歌よりも未練とかもっとわがままな“別れの間際のリアル”が出ている気がするけれど、この曲もすごく好きデスネ



あの日の記憶も消えてしまうでしょうか
傷のない恋などないのでしょうか
壊れた恋は偽物だったでしょうか
何よりそれも一つの愛なのでしょう

一度だけ くちづけて 最後まで くちづけて

一度だけくちづけて、というフレーズのリフレインが切ない曲なんですけれど、“何よりそれも一つの愛なのでしょう”という言葉の持つ強さが(そして潔さ、切なさ)
、何より行方知れずの恋をする二人にとって背中を押す一言になると思うのです


一瞬一瞬を大切に、とまで言うと大げさだけれど
そのときの感情を大切にしてあげてください
プラスの感情はもちろん、悲しみなんかのマイナスの感情にも気づいて定期的に水をやらないと、きれいな花は咲かないと思います。

※すでに手遅れの人はBUMP OF CHICKENの「涙のふるさと」を聞きましょう、まだ間に合うはず。

また長く話しすぎてしまった

 

 

反省。

 

題名はスピッツ「桃」