ピロートーク

やがて性愛

地動説おもへど信じがたきまで

久しぶりの日記です。

おしべとめしべがくっつくことを受粉と言い、そうして実ができる。
同じように人間も精子と卵子がくっつくことを受精と言い、受精により女性は妊娠をする。
これは保健の授業で教わったこと、だけれど、それが具体的な性交だと、わたしが分かったのはいつだっただろうか。ふとそんなことが気になった。

中学入学時には確実に分かっていなかったけれど、卒業時には理屈も仕組みもわかっていたんだから、その3年間のうちがキーになるんだろう。でもそんなこといくら頑張っても、その瞬間を思い出すなんて、とても、無理。

そういえば初潮のときも特別に何も考えなかったことを思い出した。
保健の授業や性教育の漫画で読んだことが自分にもふりかかってきたな、と
わたしもこれから学校のトイレ行くときはポーチとか持って行くのかな、とぼんやり思って、でも親に報告するのはなんだか恥ずかしかったことを覚えている。
今後のわたしの性にまつわるうんぬんについてなんて、とても考えなかった。

だいたいの女子は、ショックだったか、ぼんやりとしか覚えていないかの反応だと思う。
「やったー!生理になったぞー!」と喜ぶ人は…あんまりいないんじゃないかな……ねえ…???

男子はどうなんだろう?男子は落ちてたエロ本とか見てる子もいるだろうし、そういう欲求や知識みたいなものは女子より早く手にいれるのかな?と思って恋人に聞いてみた。
初めて見たエロ本のことや初恋の話に花を咲かせて、精通について聞いてみた。
「俺はね、大陸移動説のこと思ったよ」

「どういうこと?」
「大陸は元々一つで、それが少しずつ移動して今の地球になったじゃない」
「うん」
「なんか、それに納得した」

 

「神は両性具有で、人間をつくり、地上へ産みおろすときに性を分けた。」「人間は別の性別と交わることによって神になることができる」と、いつか読んだことがある。
ああ、なんだか分かる気がした。
元々は一つだったからこそ、ひとつになりたくて。自らの性を受け入れることが、神様に近づく最初の一歩なのだろう。そういうことを一瞬で察したのだろう(この人は言葉にする術を持たないが)

大陸はたぶんもう一つにはならないけれど、人間はなろうとすることができるよ。と言いたかったけれど、ここでべらべら喋るのは野暮っていうもんな気がしてやめた(てやんでいこちとら江戸っ子だい)

お互いにもう大人だし、その気になれば子どもつくるのなんて簡単なことなんだろうけれど、できるのならこの人の行く末を見守ってあげたいなと思えた。日がありました。

久しぶりの日記がのろけになってしまった。
後悔はしてない。

〈地動説おもへど信じがたきまで海のかなたゆ陽はゆるぎ出づ〉木畑紀子