ピロートーク

やがて性愛

思い出話

部屋のまんなかでくらくらとなる

昔 付き合っていた人が、作文が好きだったのか作家に憧れていたのか、自分で書いた小説やエッセイや詩や作文をよく読ませてくれた。多分彼には才能は無かったようで、わたしはたいして面白くも美しくも無いな、と思いつつ、でもそうは言えないので、適当に「…

雪の晴れ間を今流れゆく

祖父が急逝した。 一足先に向かった父以外の家族は、実家のある大阪へ各々現地集合した。 通夜、告別式は2日かけてスムーズに執り行われた。 初めて顔を合わせる親戚も数人居て、知らないおじいさんが、祖父との思い出話を勝手に語っていた。寛永年間の頃の…

書架でわたしは迷わない

横溝正史の金田一耕助シリーズが大好きなんです。 高校生の頃にはまったのですが、地元の本屋さんやブックオフではメジャーどころしか売られていなくて。「犬神家の一族」「八つ墓村」「獄門島」「本陣殺人事件」「悪魔が来りて笛を吹く」「悪魔の手毬唄」ど…

どうしてもつかめなかつた

テレビの健康番組で顎関節症をゲストの医者がパネルを使ってタレント達に紹介しているのを見て、中学時代の友人Tを思い出した。Tは、なんか変な子だったなあと思う。ふつうに可愛くて勉強もできる子だった。一時は凄く仲良くしていたけれど、なんか変なこと…

なまぐさく口あけている夜の路地

サブちゃんの話。 大学生のとき授業が終わり、まだ日が落ちないうちに家に帰ったら家に居た母親に驚かれた。 「あら、早いわね!寄り道しなかったんだ!」と、普段バイトだデートだと寄り道しては夜遅くに帰ってくるわたしへの嫌味かしら。「まあね」と言う…

「サヨナラスルタメニデアツタワケヂヤナイ」

また思い出話をしようと思う。数年前、上野駅で小さな花束を買った。 ・なぜ買ったのか:知り合いの演劇を見に行く手土産として ・どんな花だったか:忘れた。上野駅構内のアオヤマフラワーマーケットのミニブーケ。確か黄色ベース。店員さんにラッピングを…

月面に脚が降り立つそのときも

数年前、今晩はスーパームーンという予報が出た日の朝、電車に揺られていると隣に立っているおじさんが携帯に対して真摯に向き合っていることに気が付いた。ついでに、電車が揺れたはずみでメールを打っていた画面が目に入った。「今晩はスーパームーンだっ…

春画など集めたるなど

舛添知事の政治資金の問題で非難轟轟らしい。ニュースを見る限りは。へえ~~としか思わずに済んでいるのは多分わたしが都民じゃないから。都民だったら「わたしが払った税金をそんな風に使うなんて!!!」と憤怒ぐらいしてたかもしれない。 まあ当たり前に…

青年の詩今日も溢れ出づ

高校生の時、宮崎あおいがブルーハーツの歌をアカペラで歌っているCMが流行った。earth music&ecologyのナチュラルな雰囲気とその歌い方は妙にマッチングし、ネットでそのCMの宮崎あおいが可愛いって話題になっていると書いてあった。でも、実はブルーハーツ…

奔放無軌の母を許せよ

モットーは「嘘をつかないこと」と聞いて、生きにくそうな人だな、と思った。大学時代のバイト先の先輩で、その人は2つ年上の男性で、一年留年しているから学年は一つしか違わなかった。仕事が出来て、長身細身のモテ眼鏡に「俺は嘘だけはつかないんだよね」…

海がふたりのあこがれとなる

女という生き物は、好きな人と海に行きたくなる生き物なのかもしれないなと考えていたら電車を降り過ごした。まあ急ぎの用じゃないし早めに家を出ていたのでさほど焦ることもなく、逆向きの電車に乗り換える。 ほとんど暴言で、差別的な意識だけれど、まあ自…

君こそもつと知りたきひとり

「いま言ったじゃない。セクシーって。どういう意味?」 「知らない人を好きになること」 クレストブックスから出ているジュンパ・ラヒリ『停電の夜に』という短編集では「停電の夜に」という表題作が素晴らしいんだけれど、「セクシー」という話がやけにひ…

シルクのリボンで縛ってほしい

智香ちゃんの話をしよう。 わたしの友人の一人に智香ちゃんという子がいる。雰囲気がある、なかなかのべっぴんさんだ。べっぴんだからなのか順序は分からないけれど、彼女はモデルをしている。お仕事ぶりをときどき拝見しているが、その界隈というのも奥が深…

人憎まねば立ち直れぬのか

「…忘れちゃえよ 悪い犬にかまれたと思って」「そんなこと言わないでよ 無神経ねあんたたち男ってじゃあ あんたは犬にかまれたことを忘れられるの?」 『河よりも長くゆるやかに』吉田秋生 性にまつわることを一言つぶやけば、あっというまにRTやふぁぼは稼…

誰かを愛した季節が終わる

先月、親と伊勢旅行をした際にお土産物屋でお土産用ストラップを買ったら、レシートには携帯ストラップ、と記されていた。携帯ストラップ、なんだか懐かしい響きに感じた。 スマホを持ち始めてから数年が過ぎて、いつのまにか“携帯電話”を持っていた時間を超…

女らは薔薇の香をかいでいる

高校2年生のある時期、わたしのグループは家庭科室掃除を担当していた。(グループといっても、名前の順で同じあたりの人たち御一行だけれど) 掃除中は、家庭科の若い女の先生と、わたしのクラスの副担任の若い男の先生が見張っていたけれど、女子校らしく朗…

泡つぶやく声こそかなし

小学生のとき国語の授業で宮澤賢治の『やまなし』をやった。そして、やまなしに出てくる"くらむぼん"とは何か?を授業で話し合った。 魚、あわ、人、めいめいの考えが出た中で先生が思い出話をしてくれた。 先生が昔みていたクラスに優秀な男の子がいた。そ…