ピロートーク

やがて性愛

思い出話

君も君も君も死ぬなよ

はしかもおたふくかぜも水ぼうそうもかかったことない。ちなみに骨折も盲腸もりんご病も手足口病も経験無い。母からは「ああいう子どものうちにかかっておく病気に、おまえがこの年になってかかったら…死ぬわよ」と、なんか細木和子みたいなこと言われている…

車窓から海が炎えるよ

ゴールデンウィークの最大の思い出は警察署に行ったことだと思う。逗子警察署。人に悪いことをしたわけでもされたわけでもなくて、忘れ物を取りに行った。 3月に母から腕時計をもらった。華奢な雰囲気のきれいなやつで、わたしは大層喜んだのだが、それを受…

写真のきみを切り刻む

子供のときに、学校のイベントが終わるごとに作文を書かされたものだが、とても苦手だった。遠足中にやったことは覚えてて、時系列に物事を書くことはできる。その途中途中で何を考えたかは書けるが「ユミちゃんのお弁当にポケモンのかまぼこが入っていて、…

思えば遠き春のこと

昨年2月に祖父が亡くなり、4月には四十九日が行われた。喪服を着て新幹線で新大阪へ向かった。法要は夕方前には終わったが、父母は実家の片づけや引き出物の準備等があるとのことなので、わたしと兄の二人で先に東京へ戻ることになった。 その時期、ニュース…

あの夏の数かぎりなき

京都の人は京都プライドがすごいから、「前の戦争」っていうと太平洋戦争じゃなくて『応仁の乱』をさすらしい、という話を聞いた。都市伝説?わたしは京都にあまり縁がないから「そうかあ」ぐらいにしか思わない。京都市以外を京都と認めない、とか、都落ち…

「いま風をたべているの」

知り合いが第二子妊娠中らしく、わたしも嬉しい。第一子は坊やだった。産まれたての頃、わたしも抱っこをさせてもらったがとても可愛かった。今は2才になったそうだ。最新の写真を見せてもらったら健やかに成長しているらしく、この前までは赤ちゃんだったの…

わが生きざまのごとき灯が

「ダメな大人」の影響力はすごいという話です。 知ってるかもしれませんが、わたし、たけし映画が好きでして、昨年の頃に『菊次郎の夏』を見たんですよ。見てない人のためにおおざっぱにネタバレ抜きであらすじ説明します。 小学3年生の少年、正男は東京の下…

おれの話をちょっと聞いてくれよ

小中学生のころに書きめぐった「プロフィール帳」のことを思いだし、懐かしい気持ちになった。あれは良いカルチャーだったと思う。今でもあるのだろうか。当時書いていた時、まあ多少人の目を(読まれるということを)意識しながら書いてはいたし、少しぐら…

部屋のまんなかでくらくらとなる

昔 付き合っていた人が、作文が好きだったのか作家に憧れていたのか、自分で書いた小説やエッセイや詩や作文をよく読ませてくれた。多分彼には才能は無かったようで、わたしはたいして面白くも美しくも無いな、と思いつつ、でもそうは言えないので、適当に「…

雪の晴れ間を今流れゆく

祖父が急逝した。 一足先に向かった父以外の家族は、実家のある大阪へ各々現地集合した。 通夜、告別式は2日かけてスムーズに執り行われた。 初めて顔を合わせる親戚も数人居て、知らないおじいさんが、祖父との思い出話を勝手に語っていた。寛永年間の頃の…

書架でわたしは迷わない

横溝正史の金田一耕助シリーズが大好きなんです。 高校生の頃にはまったのですが、地元の本屋さんやブックオフではメジャーどころしか売られていなくて。「犬神家の一族」「八つ墓村」「獄門島」「本陣殺人事件」「悪魔が来りて笛を吹く」「悪魔の手毬唄」ど…

どうしてもつかめなかつた

テレビの健康番組で顎関節症をゲストの医者がパネルを使ってタレント達に紹介しているのを見て、中学時代の友人Tを思い出した。Tは、なんか変な子だったなあと思う。ふつうに可愛くて勉強もできる子だった。一時は凄く仲良くしていたけれど、なんか変なこと…

なまぐさく口あけている夜の路地

サブちゃんの話。 大学生のとき授業が終わり、まだ日が落ちないうちに家に帰ったら家に居た母親に驚かれた。 「あら、早いわね!寄り道しなかったんだ!」と、普段バイトだデートだと寄り道しては夜遅くに帰ってくるわたしへの嫌味かしら。「まあね」と言う…

「サヨナラスルタメニデアツタワケヂヤナイ」

また思い出話をしようと思う。数年前、上野駅で小さな花束を買った。 ・なぜ買ったのか:知り合いの演劇を見に行く手土産として ・どんな花だったか:忘れた。上野駅構内のアオヤマフラワーマーケットのミニブーケ。確か黄色ベース。店員さんにラッピングを…

月面に脚が降り立つそのときも

数年前、今晩はスーパームーンという予報が出た日の朝、電車に揺られていると隣に立っているおじさんが携帯に対して真摯に向き合っていることに気が付いた。ついでに、電車が揺れたはずみでメールを打っていた画面が目に入った。「今晩はスーパームーンだっ…

春画など集めたるなど

舛添知事の政治資金の問題で非難轟轟らしい。ニュースを見る限りは。へえ~~としか思わずに済んでいるのは多分わたしが都民じゃないから。都民だったら「わたしが払った税金をそんな風に使うなんて!!!」と憤怒ぐらいしてたかもしれない。 まあ当たり前に…

青年の詩今日も溢れ出づ

高校生の時、宮崎あおいがブルーハーツの歌をアカペラで歌っているCMが流行った。earth music&ecologyのナチュラルな雰囲気とその歌い方は妙にマッチングし、ネットでそのCMの宮崎あおいが可愛いって話題になっていると書いてあった。でも、実はブルーハーツ…

奔放無軌の母を許せよ

モットーは「嘘をつかないこと」と聞いて、生きにくそうな人だな、と思った。大学時代のバイト先の先輩で、その人は2つ年上の男性で、一年留年しているから学年は一つしか違わなかった。仕事が出来て、長身細身のモテ眼鏡に「俺は嘘だけはつかないんだよね」…

海がふたりのあこがれとなる

女という生き物は、好きな人と海に行きたくなる生き物なのかもしれないなと考えていたら電車を降り過ごした。まあ急ぎの用じゃないし早めに家を出ていたのでさほど焦ることもなく、逆向きの電車に乗り換える。 ほとんど暴言で、差別的な意識だけれど、まあ自…

君こそもつと知りたきひとり

「いま言ったじゃない。セクシーって。どういう意味?」 「知らない人を好きになること」 クレストブックスから出ているジュンパ・ラヒリ『停電の夜に』という短編集では「停電の夜に」という表題作が素晴らしいんだけれど、「セクシー」という話がやけにひ…

シルクのリボンで縛ってほしい

智香ちゃんの話をしよう。 わたしの友人の一人に智香ちゃんという子がいる。雰囲気がある、なかなかのべっぴんさんだ。べっぴんだからなのか順序は分からないけれど、彼女はモデルをしている。お仕事ぶりをときどき拝見しているが、その界隈というのも奥が深…

人憎まねば立ち直れぬのか

「…忘れちゃえよ 悪い犬にかまれたと思って」「そんなこと言わないでよ 無神経ねあんたたち男ってじゃあ あんたは犬にかまれたことを忘れられるの?」 『河よりも長くゆるやかに』吉田秋生 性にまつわることを一言つぶやけば、あっというまにRTやふぁぼは稼…

誰かを愛した季節が終わる

先月、親と伊勢旅行をした際にお土産物屋でお土産用ストラップを買ったら、レシートには携帯ストラップ、と記されていた。携帯ストラップ、なんだか懐かしい響きに感じた。 スマホを持ち始めてから数年が過ぎて、いつのまにか“携帯電話”を持っていた時間を超…

女らは薔薇の香をかいでいる

高校2年生のある時期、わたしのグループは家庭科室掃除を担当していた。(グループといっても、名前の順で同じあたりの人たち御一行だけれど) 掃除中は、家庭科の若い女の先生と、わたしのクラスの副担任の若い男の先生が見張っていたけれど、女子校らしく朗…

泡つぶやく声こそかなし

小学生のとき国語の授業で宮澤賢治の『やまなし』をやった。そして、やまなしに出てくる"くらむぼん"とは何か?を授業で話し合った。 魚、あわ、人、めいめいの考えが出た中で先生が思い出話をしてくれた。 先生が昔みていたクラスに優秀な男の子がいた。そ…